戻ってきてくれてよかった!一緒に居てくれるだけで安心します。

投稿者:あおさんご (1973年生まれ/女性/沖縄県在住)

私が20代後半の頃、直属の上司が非常に優秀で自分自身にも厳しく仕事を完璧にこなす分、部下に対しての要求も厳しい人でした。
当時、私自身が与えられた仕事をこなすのに精いっぱいの状態だったので、上司としては、それ以上の成果を出せないでいる私に不甲斐なさを感じていたようでした。
毎日のようにダメ出しをされ、自分で考えて行動しろ!使えない!何度言ったらわかるんだ!等、今で言えばパワハラととられかねない程の叱責を毎日のように受けていました。

この職種に憧れて入った仕事だったので、今は仕事を覚える時期だと自分自身に言い聞かせ、まだまだ未熟な自分自身を磨いて絶対に周りに認めてもらえるようになるんだと、頑張って仕事をし、負けず嫌いなところもあったので、上司に絶対認めてもらおうという気持ちで日々の業務をこなしました。
しかし、上司に認められるどころか任される業務が増えるにつれ、上司の叱責の機会もどんどん増えていってしまいました。

そんな状態が2年、3年と続いていくと、どう頑張っても自分はミスをするダメな人間だ。少しいい結果がだせても、他の人ならもっといい結果がだせたはずだ。と考えるようになります。
アルバイトでもできるような簡単な作業にもどう対応してこなせばいいのか分からなくほど、自分に全く自信がもてなくない状態になり、大好きだった仕事も心の底から嫌だと感じてしまっていたのです。

そんな中、大きなプロジェクトでキャンペーンイベントをすることになり、チームを組んでの作業をすることになりました。
私の部下がそつなく仕事をこなし上司に褒められている姿をみるたびにどんどん自信を失っていく中で、別の仕事の手伝いにまわされ一旦プロジェクトから外れることになり、自分はやはり要らない人間だったと実感させれらたのと同時に、重圧から逃れることができてほっとしたものです。

別の仕事が終わって再びプロジェクトに参加したある日。
私よりも何倍も上司に褒められて期待されている部下が、私が戻ってきたことを誰よりも喜んでくれ私にこう言いいました。

「戻ってきてくれてよかった!一緒に居てくれるだけで安心します。」

私より何倍も仕事ができる彼にそう言われて、嬉しさよりも驚きの方が大きく、「私いなくても大丈夫じゃん。」と直ぐに返答するほど驚きました。
しかし彼は私にこう続けたのです。

「先輩が指示やアドバイスをしてくれるから安心して仕事ができるんです。困ったときに助けてくれるので多少の無理もできるし、どんどんチャレンジできるんですよ。」

この言葉を聞き、今まで頑張ってきたことが無駄ではなかったこと、周囲は自分を必要と感じていたことに心の底から感謝しました。

今考えれば、上司の叱責にばかりとらわれてしまい、自分で自分を否定しつづけてダメ人間のレッテルを自分に貼りつけていた気がします。
部下の言葉で今まで自分が自分を卑下していたことに気づかされました。

それからは、失敗は反省はしても失敗したから自分自身が全てダメだと思わないことと決め、人間はミスをするのがあたりまえ。ミスをしない人は一人もいない。ミスをしたら誰かに助けてもらい、また、自分も誰かのミスを助けていけばいい、と考えるようになりました。

お陰で、仕事へのプレッシャーも減ったせいか仕事が上手くいくようになり、少しづつ自信が持てるようになっています。
大好きな仕事を辞めることなく今まで続けてこれたこと、気持ちを変えさせてくれた部下に今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

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