自分自身の思いを大切にね

投稿者:かな (1978年生まれ/女性/愛知県在住)

私は以前に高校教師として勤務しておりました。
こちらの高校は元々塾が母体となっており、株式会社立の私立学校という珍しい形態の学校です。
同僚は元教員、塾講師、営業マン…と多彩なメンバーが揃っており、私も元会社員で教員の夢が忘れられず熱意を伝えて採用となりました。

配属された学年は高校2年生で、その上司にあたる主任が私よりも15歳年上の女性の方でした。
こちらの方も元会社員で、塾の仕事の延長でこちらの仕事に就いて18年との事。
もうベテランの先生です。

その上司から学ぶ事は本当に多くあり、生徒との接し方や保護者への定期的な連絡など、言われたからやっているのではなく、自分がそうしたい、相手のためを思って自分の意思で行動しているのが本当に伝わってきて、当時それほどスキルのなかった私はその姿から色々学ぼうとしておりました。

特に印象に残っているのは、私の担任する生徒があと少しで卒業を迎えるという時に必須のレポートが出てない事が発覚し、家に電話してもつながらずどうしようと上司に相談した時に、「家庭訪問しよう」という事を提案し、車を出してくださったのです。
もう定時を過ぎて外は真っ暗だし、自分の生徒ではないのに迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、これもその生徒のためと言ってくださいました。
しかし生徒の自宅のインターホンを押しても留守の様子で、置き手紙をしてその日は引き上げましたが、翌日その生徒が出し忘れていたレポートを持参し、何とか無事に卒業をすることができました。

そしてしばらく経ったある日、一緒に食事しようと2人で近くの飲食店でごはんを食べた時ですが、その女性上司から「これから大変なこともあると思うけども、自分自身の思いを大切にね」と私にメッセージを伝えてくれたのです。
女性の上司が数少ない職場だったので、これが何を意味するのかその時は理解できませんでしたが、その年度末にその上司が退職し以前から夢であった小学校教師を目指すとの発表があり、びっくりしたのと同時に、寂しさや、目指す上司像がなくなってしまったことに大変不安を覚えました。

私はその職場で教師を8年勤めましたが、山あり谷あり、また経営を立て直すために別路線を目指すことが発表され、自分自身ここで働いてていいのだろうか、という思いが頭によぎりました。
その時に上司の言葉を思い出し、ようやくその時になって初めて意味を理解した気がしました。
上司が夢を叶えるために長くいた職場を離れる決意をしたことは大変勇気がいったことだと思います。その時が私にもやってきているんだなと実感しました。

それから私は以前から挑戦したかったカウンセラーの資格取得を目指すべく、年度末で退職し現在はその夢に向かって勉強に取り組んでいます。
周りに流されることなく夢を貫いた上司はいつまでも私の憧れの人です。
今はお互い忙しいのでそれほど頻繁に会えませんが、また次回お会いできた時には色々な話が出来たらと思っています。

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