仕事の自己主張は仕事で。平等の中の不平等
投稿者:2号3号 (1979年生まれ/男性/埼玉県在住)
初めて入社した会社の業種は不動産営業の仕事でした。
当時の私はまだ世間知らずもいいところで、感覚的には会社に行ってればお給料が貰えると思っている様なところがまだ残っていたのだと思います。
そんな甘い考えでいた為、営業成績は全く伸びず、日々、上司から呼び出されてはお説教をもらう様な日々でした。
ある日、別の部署へ異動となりました。
異動とは言っても、同じフロアの別の部屋っていうだけなのですが、その部署は、新人を伸ばす、売れない者が売れる様になる事で有名で、そのトップにいるのがK部長でした。
異動したその日に私は部長から呼び出され、重い足取りで小会議室に行ったのを今でも覚えています。

「お前、仕事が上手くいかなくて悩んでるだろ?それ全部出せ。」
私は洗いざらい自分の気持ちと仕事の悩みをすべて吐き出しました。
そのとき部長から言われたのが、
「仕事の自己主張は仕事で」
「平等の中の不平等」
という言葉です。
私は実力もないのに自己主張だけが先行し、先輩の言うことを素直に聞き入れていないところがありました。
併せて、自分の置かれた環境は不公平であると考え、結果が出ない事をどこか人のせいにしていたのです。
それをK部長は見抜いていました。
「仕事の自己主張は仕事で」
自分がどんなに正論で自己主張をしようが、実力や結果がともなっていなければ誰も耳を貸さない。
それどころか、嫌われて誰も寄り付かなくなる。
ホームレスが「世の中を変える!」って言ったところで誰もそんな戯言聞かないのと一緒だ。
では誰もが話を聞くようになる為には、どうすべきか。
仕事で結果を出す。
結果さえ出なければ、自ら口に出さずとも周りが話を聞きに来る。
「平等の中の不平等」
営業職である以上、結果がモノを言う世界。
置かれた環境はみんな一緒で平等だ。
そこで結果が出なければ先輩からも上司からも色々言われるのは当たり前。
平等の先にある自由を求めるかどうかは、自分次第。
結果が出せなくて不公平だなと感じる環境に身を置くこととなったなら、それは自分に原因がある。
K部長からの言葉を聞いてから、営業成績も少しずつ伸び始め、とても有意義な時間を過ごすことができました。
仕事に対して常に前向きに考えられるようになり、前向きだからこそ職場での人間関係も良好になり、上司とのたわいもない話や相談も気兼ねなくできるようになりました。
その後、身体を壊してしまって退社することとなり現在は事務職ではありますが、未だにK部長からいただいた言葉を常に心がけています。
例えば、仕事で愚痴や文句は言わない、今の環境もこの先の環境も変えるのは自分次第と捉える、など。
歳を重ねれば当たり前の話ですが、私にとっては心に響いた、未だに大切にしている言葉です。
いまも部長には感謝しています。